・夏雲
・仲間
夏雲
なのに
白くまが
雪にうもれて
思案している
夏雲なのに
わあわあさわぎながら掘って
そのまま
少年たちは帰ってしまった
あと
ひとりに残った穴は
とまどっている
それで
ぼくはどうすればいいの
通るものは風ばかり
穴の方など見向きもしないで吹いていく風
ばかり
....
夜がきて
朝がきて
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空に向かって
自分の名前を
大きな声で叫ぶ
と
それが
宇宙をゆっくり回って
おとなになったわたしの
もしかすると老人になってからのわたしの
うしろから
あるとき
その声が
わたしに向かって叫ぶ
とうとう見つけたというように
よろこびと
おどろきの声で
泳いでいくわたしに
海草がからみついてくる
ふり切るようにしながら泳いでも
泳ぐほどいくらでもからみついてくる
とうとう
わたしは海草に飲み込まれて
海草が泳いでいく
海草は太りながら泳いでいく
泳いで泳いで
太って太って
ある海岸にたどり着いた太った海草は
ニュースになった
みんな集まって
学校の理科室に置く相談をしている
わたしの存在は
だれも気づかないまま