Welocome to Poet Nobuko Kimura's Page

詩人・木村信子の特異な輝きをもつ"やさしくこわい歌"──。
木村信子の現代詩・少年少女の詩・エッセイ等作品の発表・紹介をしております。

 



Nobuko Kimura
Who was born in 1936, has created a unique poetic world solidly anchored in both dream and reality. As she once put it, for her “a dream is not just a set of images but an actual experience.” In her signature pieces the sense of absurdity reminiscent of Ionesco achieves a strong sense of realism and rationality.

 

 

すてきな私になる場所 木村信子

 

午後の音楽の時間

時計の針がきゅうに

おかしなまわり方をしたと思ったら

教科書から

おんぶがひとつ舞い下りた

わたしもぐらりとゆれて

時間からずり落ちた

おんぷとわたしと

教室の窓からころがり出た

 

きっと今ごろ

先生のひくピアノの音が

ひとつ ぬけているだろう

合唱の声がわたしの分たりないことに

だれか気づいたかな

 

わたしだけの場所

すてきなわたしになれる場所

だけど…

ひとつたりないピアノの音が

すこしさみしい合唱の声が

困っているように

心配しているように

もちろんおこってるように

遠くでしている

かすかに鐘が鳴り出した

 

はっきり鐘が鳴っている

時計の針も

おんぷもわたしも

ちゃんと自分の席にいる

先生がこっちを見ていたけど

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学研 話のびっくり箱 中学年3‐4(上) 2004年